Only Time Will Tell クリフトン年代記が面白すぎるので紹介

こんにちは、ハシモです。only time will tellという作品がヒットだったので紹介しようかなと思います。
この作品は、日本語にも翻訳されていて、クリフトン年代記という名前で出版されています。全7巻からなる、主人公ハリー・クリフトンの立身出世を描いた小説として、ベストセラーになっているらしい。作者のジェフリー・アーチャーの作品がことごとくに邦訳されているところを見ると、彼は半端ない作家なんだなぁ
こんな作品をまだ知らなかった自分を恥じつつ、洋書多読の世界は限りなく広いなぁと痛感します。
というわけで、全7巻の紹介をやってみよう

クリフトン年代記シリーズ概要

only time will tell

貧しい家庭に育ち、伯父と同じく、将来はドックで働くものだと考えていた主人公のハリー・クリフトン。そのため彼は学校にも行かず、文字も読めず書けずの状態。
父は戦死したと家族から聞かされて育った主人公。このままでは伯父と同じ人生をたどることになるのは想像に難くない。ハリーと一人のホームレスの老人との邂逅が彼の人生を変えることになる。そのホームレスの老人は該博な知識を持っており、ハリーに様々な知識を本人がそれと気づかないうちに教え込ませていた。彼の説得により、学校に通うようにもなり、また歌唱力にも恵まれていたことで、高度な教育を受ける機会を得る。
歌唱力を評価されて、スカラーシップを得て有名な寄宿学校に入学。そこで彼の人生に深く関わってくる二人の親友に出会う。
金持ちのgile 秀才のdeakinと充実した学生生活を送り、ハリーは最終的にオックスフォードに入学することになります。
その一方で、ハリーはgileの妹のエマと深い恋愛関係にいたり、これが後々彼らの将来を左右する大きな問題となる。
各章ごとに、同じ出来事を別々の人物の視点から一人称と三人称の視点で描き出していて、何かよくわからないなというところが、次章以降で徐々に説明されていくところが気持ちいい。イギリス英語独特の表現やボキャブラリーなどが合って、知らないことがたくさん出てきた。

The Sins of the Father 

エマ大活躍の巻。ハリーを探しに一人アメリカへ渡航して、これでもかと言うぐらいに動き回るのが面白い。ハリーの獄中記を自分の名前で偽って出版したマックスとの弁護士、出版社を含めた頭脳戦はすごい興奮しながら読んだ。
ハリーやエマ、ガイルの出番が頻繁な中で、ヒューゴやハリーの母親の章も見逃せない。メイジーに遅めの超絶モテ期が到来し、彼女の持っていた土地の買収の話を持ちかけられたり、社会人クラスで授業を受けて、文字が読めるようになっていく。
ストーリーのテンポがよく、彼女の成長をすぐ目のあたりにできて気持ちいい。
この巻は、第2次世界大戦のさなかから終戦まで(1945年)の数年間に渡るんだけど、ものすごいいろいろな出来事が詰め込まれていて、まさに誰かの人生を追体験しているような感覚になる。ガイルと肉屋の兄ちゃん(名前忘れた)がドイツから間一髪で逃げ出すどころはハラハラドキドキしたし、ハリーとクインが無謀にも二人でドイツ軍に突撃していって、ブラフで彼らを降参させてしまうところはシビレまくった。
第一巻を上回る面白さ。いろいろな人間の栄枯盛衰をたどる様子がまさに無常観って感じだった。

 

Best Kept Secret

エマやガイル、ハリーたちが壮年期に突入し、次世代の到来をじわじわと感じる。ハリーたちのスリリングな人生は一旦落ち着いてしまうかと思ったが、そんなことはなく、子どもたちも含めて話題に尽きない一家の様子が伺える。
うーーん、あまりネタバレせずに感想書くのって難しい…ガッツリネタバレした感想記事もいいんだけど、それだとクリフトン年代記を読んだことがない人がこのページに来たときに申し訳ない。とてもいい作品なので。まずこのページに来る人が果たしてどれだけいるのかっていうね。
それはさておき、この巻は、1,2巻とは一味も二味も違ったストーリー。バリントン家の面々が席を連ねる海運会社の権力争い、複雑怪奇な株式の取引、ガイルが選挙に立候補したり、”大人な”展開になっていく。専門用語や複雑な説明が出てきて、精読せずにさらっと流した部分が結構多かった。
それでも、後半に入ってからは、ハリーの子供のセバスチャンが偽札の密輸に知らず知らずのうちに巻き込まれてアルゼンチンに飛んだりして、ドキドキする展開だった。
個々人のストーリーから、バリントン家、ハリーの家族全体の大きな流れにフォーカスしてきた。描写が淡々としてて、うわそんなバッサリといくんやって思った。

 

Be Careful What You Wish For

前巻での出来事から、マルティネーダ家の怒りを買ってしまったバリントン一家。相手は、法律を破る前提で悪辣な攻撃を次から次へと仕掛けてくる。取り返しのつかない被害は運も味方して回避するも、ついに取り返しのつかない事件を迎えてしまう。
いやぁ…これは本当にショックでしたね。なんだかんだ匂わせつつ、結局はうまくいくんだろうって思ってたときにですからね。胸がえぐられました。
バリントン一家に起きた悲劇から、戦局は大きく変わってくる。相手陣営の極悪非道な手口に怒り心頭のセドリックがついに重たい腰を上げることになる。本格的に両家の存亡をかけた争いが始まる。
途中に、ガイルとフィッシャーの選挙活動、セバスチャンの恋、バリントン海運の乗っ取りを企むマルティネーダ家と、先祖代々続いた、由緒ある会社を死守しようとするエマたち、複雑怪奇なそれでいて分かりやすく説明されている株式の取引をはさみ、決着を迎える。
最後には、バッキンガム号の記念すべき処女航海に忍び寄る影あり、何かがおかしいと勘ぐるハリーたち、間もなく船内で爆破される爆弾あり、でエンド。

 

Mightier than the Sword 

前巻の最後から、ハリーたちサイドに視点が切り替わる。
ハリーとエマの部屋に届けられた花瓶。それに違和感を感じつつも、原因を発見できないでいるハリー。
爆弾が爆発する少し前に、ようやく花瓶が届けられた本当の目的にたどり着き、爆弾を処理しようとする彼ら。
なんとか最悪の事態は回避するも、船体には被害も出ており、事実が明るみに出た場合、バリントン海運の経営はお先真っ暗になってしまう。これを防ぐために情報封鎖とコントロールを行うが、綻びが生じそうになり、そこをバリントン家を憎む連中に付け込まれてしまう。
その一方、ソビエトのスターリンの残虐な行為を暴露した本を出版しようとして懲役20年の判決をくらったロシア作家の釈放を求めるためにハリーは奔走。ついには、ソ連に隠されている、唯一のコピーを回収するために身一つで入国するハリー。
あいにく、彼の行動は完全に監視されており、ソ連の警察にあっさり捕まってしまう。
前巻での、バッキンガム号の完成記念式典で、エマがヴァージアナの名誉を毀損したとして、法廷に立つことになったエマ。対するヴァージアな運営は、辣腕弁護士を雇い、フィッシャーは彼女の利益を最大化するために動く。
バリントン一家の敵サイドの目的はただひとつ、バリントン家の凋落を見たいがために、暗躍する。
ハリーとエマの裁判が交互に描かれていて、続きが気になって仕方ない。よく練られた構成に舌を巻きつつ、ページをめくり続ける。
このあたりを読む前は、法廷での様子、裁判の専門用語などが出てきて、さっぱりわからないんじゃないかと危惧していたが、さすが小説家ジェフリー・アーチャー、巧みでいてかつ簡明な描写で、ストンと音がするぐらい綺麗に理解できたと思う。Kindleの助けもあり、スイスイと先に進めた。
どうやら、このクリフトン年代記は当初、5巻までで完結する予定だったらしいのだが、予想以上にストーリーが膨らんでしまったようで、2巻延長の全7巻の物語となった。
一巻一巻がすごい重たい、やや息切れを感じつつも最後の2巻を楽しみにラストスパートをかける。

 

Cometh the Hour

前巻での、エマとヴァージニアの裁判のシーンから幕が開く。フィッシャーが残した手紙は、劣勢のエマの窮状をひっくり返す1手となるものだったが、その手紙にはガイルの政治生命を脅かすような内容の告発も同時に載っていた。
手紙を公にすれば、エマが裁判に勝つことは確実、しかしガイルは来る選挙での立候補を見送らなければならなくなる。手紙の存在を黙殺すれば…
この巻では、今までなあなあにされてきた二人の恋愛が成就することになる。国境を超えた恋、スパイと政治家の恋、いづれも目が離せない。新しくバリントン一家に入ることになった人もいれば、ハリーがここまで立身出世することができた最大の理由の人物がこの世を去っていくことになる。出会いと別れの繰り返し。
個人的には、この巻はヴァージニアが暴れまわる回だった。
名誉毀損でエマを訴えた裁判に始まり、資金が底をつきかけると、公爵の父にお金を無心し、あっけなく断られ、お小遣いを半額にされる。今まで雇っていた執事やメイドを一時的に解雇して、これからの身の振り方を考える中で、とあるアメリカの資産家がイギリスに来国するということで、彼に白羽の矢を立てる。彼が参加するパーティーに参加し、なかば強引にお酒の力を借りて既成事実を作ろうとする。
そのアメリカの資産家はフィアンセがいるらしく、ヴァージニアに同行してもらって彼女のために婚約指輪を購入したのだが、ヴァージニアはホテルでのなし崩し的な夜のあと、彼にプロポーズされたと嘘をつき、その婚約指輪を自分のものにした後、指輪を購入したお店に行って、指輪の返品をした。そして返されたお金をネコババして、資金難をくぐり抜けるというすさまじいワンナイトスタンドを行う。
更にこれだけでは話は終わらなくて…
ハリーが今まで、釈放を求めるキャンペーンを行ってきたロシアのライターが遂にノーベル文学賞を受賞することになった。授賞式に招待されるハリーとエマ。ハリーは彼に代わって受賞スピーチを行うことになる
この第6巻では、ハリーが2つのスピーチを披露することになる。いずれも物語中でのマイルストーンとなる超重要なシーンである。詳しくは言わないが、いずれのスピーチもよく組み立てられていて、ライティングの際のお手本にしたいぐらい。今までの出来事が、無駄なく綺麗に整理されていて、それでいて難しすぎず、簡潔で思わず唸ってしまう文章。こんなスピーチができたら最高だろうな。
ハリーの息子のセバスチャンが幹部を務める銀行fatheringsは、バリントン一家の没落を企むmellerとsloanの策略により佳境に突入することになる。fatheringsとセバスチャンの学生時代からの親友の父が代表を務める銀行の合併をまもなく行おうとしたときに、魔の手が忍び寄ってくる。
いよいよ最後の巻を迎えることになる。正直、終わりがみたくない。だけども続きが気になる。アーチャーがこの物語の終着点をどこに設定するのか。

This Was a Man

…ついにクリフトン年代記シリーズを読み終えてしまった。
この第7巻、はっきり言うと、そこまで目立ったイベントはないのだが、ヴァージニアは相変わらずドラマを作ってくれる。妻をなくしたdukeにとりいって上手く結婚し、遺産をかっさろうという計画のために精力的に活動する。
なんだけど、ヴァージニアはもう60歳をこえているわけで、そんな彼女が公爵とmake loveするシーンなんて誰が見たいんだろうか、なんてひとりで突っ込んでいた。まあ、小説だから想像力でなんとでもなるけど。ドラマだったら見るに耐えなかっただろう。
最後には、ハリーの古くからの親友のガイルのスピーチが見られる。ハリーと過ごした長い年月を思い起こさせるとともに、ハリーの人生をユーモアも交えて、簡潔にまとめてくれる。superiorって使いすぎじゃないかなって思ったけど。
うーーん…なんだろうこの気持ち、正直第7巻はそれほど…って感じだった。もしかしたら自分の感覚がおかしいのかなと思いつつも、一応Amazonのカスタマーレビューを見たら、似たような感想がけっこうあって、やっぱりそうだよなぁと。
ここまで引っ張った意味ってあるのかなぁ。長くて内容が薄くなるよりは、太く短くが美しいよねと。火桶の火も白き灰がちになりてわろしって言う枕草子の文がこの巻をよく言い表していますね。
てなわけで、少しグダグダになったけど、まあそれでも割りと面白いです。個人的には、1,2巻、4,5巻が際立って面白いかなって思った。

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